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メディア/イアソン 3/23公演

 2024.3.23 18:30開演 世田谷パブリックシアター




FGOの推しがジークフリートさんとイアソン様なのですが、そのイアソン様が主題になってる演目があるじゃん!?と思ってチケットを取った次第です。メディア主体は滅茶苦茶あるけどイアソンも一緒なの珍しい気がする。


物語の運び方は『メディア』を主軸にして『アルゴナウティカ』を辿っていった感じだったと思う。メディアが前提の時点で悲劇なの分かりきってたけどやっぱりしょんぼりしてしまうね。バッドエンドではなくてトゥルーエンドではあったけど。


アルゴナウティカのイアソンってまあ弱々しくて優柔不断でずっとかわいそうなんですが、今回のイアソンはそれ以上に脆弱でどうしようもなかった。素晴らしい。でもイアソンのいいところが全然描かれないままメディアの方のイアソンに移行していった感じがあり、イアソンってクズだな……の気持ちがずっとあった。いやまあ、まあまあクズなんですけどイアソン……。そうは言ってもアルゴナウティカのイアソンはちゃんと英雄っぽさもありまして……子羊のようかと思いきやちゃんと船長らしいところもあるから……。クズだけど悪いとこばっかじゃないんだよイアソン……。


娘役の方が王の役も兼ねていたけれど、どちらの人も迫力があってすごかったな~。若い人なのに老いた男性の声が出るってすごいな……。娘の時はあんなに無邪気なのに……。

叔父の声が良すぎて、ちょっと叔父のファンになりそうだった。


メディアも……魔女の片鱗が見え隠れしてたのすごかったな。恋に溺れる純情な少女と、そうでありながら常識外れな魔女であるところ。優しく聡明な母でありながら、復讐に燃えた魔女でもある。覚悟を決めた後の声音がとんでもなかったな……。悲劇のヒロインのふりが巧すぎる。

メディアもまあ別に良い人間ではなくてあっさりイアソンに手を貸すし弟を手にかけるし、敵も子供も手にかけることができる非情さがあるんですが、でもやっぱどこか可愛らしいんだよな……。

似た者夫婦というか、お似合いの二人ではあるよな本当……。メディアががっちり尻に敷いてればバランスが良いと思うんだけどな……。


それからヘラクレスが快活で面白かったな。まあヘラクレスは大英雄なのであれくらい豪快じゃないとそれらしくないよな。


基本的には口語で台詞が進んでいくのに、時々文語が交じるのも面白いなと思った。あえて分かりにくくしていたのかなぁ。仰々しさが出ていたというか、ギリシャ神話をするんだったらこういう表現された方が腑に落ちるなぁという感じ。そもそも元々がアルゴナウティカは叙事詩だからというのもあるのかもしれない。


あと事務所関係外で舞台見たのが初めてだったんですが、スタンディングオベーションって必ずするものじゃないんだ……ということにカルチャーショックのようなものを受けた。

今までみんな周り立ってたからそういうものだと思っていた。

なかなか演劇って地元で見られるものではないんですが(公演されることがあまりない)、機会があったら観るようにしていきたいですね。

劇場の作りも好きだったな~円形劇場風になっていて、天井もアールついてて壁紙が空のデザインだったから区切りなく青空が広がっている感じで。壁は石造り風だったし(触ってくればよかったな)。
座席が今回3階の一番後列だったのに、座面が高くて前の人の頭も優に超えて舞台上を見ることができたの、嬉しかったな。低身長ゆえ。低身長ゆえに座面が高いと足がぶらつくという問題点もあったけど見えないということがなかったの本当に嬉しい。全劇場ああなってて欲しい……いつも前の人の頭が邪魔……。身長高い人や男性が前に座ったときの絶望感ハンパないもんないつも。座席の身長制限欲しい。

パンフレットにシシン先生のコラムもあったの流石だったな……。

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